日別アーカイブ: 2019年4月14日

<江東区議会各会派に対する公開質問状の内容とご回答>

江東ウィズのエブリ会員の保護者を中心に立ち上げた「江東区の障害のある青年成人の余暇活動を考える 会」では、江東区議会全会派(※1)に対して、「障害のある青年成人の余暇活動」に関する公開質問を行ないました。

※1 江東区議会自由民主党、江東区議会民政クラブ、江東区議会公明党、日本共産党江東区議団、 江東区議会市民の声・江東、江東・生活者ネットワーク、江東区議会・無所属、こどもの未来

質問状の内容と質問に対するご回答は、以下の通りです。

「一般社団法人江東ウィズ」は、障害のある人が地域の中で豊かに暮らすことを目的とし、1983 年から、障 害のある学齢児(小学生から高校生)を対象とした、放課後や学校休業日の活動を行なっています。障害の ある子どもを単に預かるだけではなく、集団活動などを通じて社会適応の向上を図り、子どもの成長・発達を 促すための活動などを行なっています。以前は、東京都や江東区の独自施策「心身障害者(児)通所訓練等 事業」による補助を受けて運営していましたが、2012 年より国の施策である「放課後等デイサービス事業」 に移行して運営をしています。

学齢期には放課後活動の場で、子どもたちはたくさんの人と出会い、様々な経験を積み重ね、社会性を身 につけていきますが、学校を卒業して社会に出ると、そのような場は途端になくなってしまいます。江東区 では、「エンジョイクラブ」を実施していますが、対象が軽度の知的障害の方に限られているのが現状です。

「重度障害者の余暇活動」について、3 年ごとに作成される「江東区障害者計画」の区民説明会において、 平成 23 年には、「送迎や受け入れ体制等の課題があり、現時点では困難である」と区は回答しています。3 年後、6 年後の区民説明会においても同様の要望が何件も出されていますが、区は、「重度の知的障害のある 方への文化活動の場の提供については、他自治体を参考にするなど、今後の検討課題」と回答していますが、 具体的な施策は何も打ち出されていません。

江東ウィズでは、重度の障害のある人でも、“気心知れた仲間と、リラックスして余暇を楽しめるように” との思いから、卒室生を対象にした集団活動を 1995 年から行なっていますが、公的な補助が何もないため、 100 名近い会員を抱え、本人の会費とボランティアに頼らざるを得ない状況です。そこで、「江東区の障害の ある青年成人の余暇活動を考える会」を立ち上げ、他団体にも呼びかけ、江東区への働きかけをしています。

日本が平成 26 年に批准した「障害者権利条約」の第 30 条にも、「文化的な生活、レクリエーション、余 暇及びスポーツへの参加」がうたわれています。北欧では、「余暇法」という法律があり、障害の有無に関 わらず、文化的な活動が権利として認められていると聞きます。東京都でも、2016 年に、都議会に対して提 出された「障害のある青年・成人の余暇活動に関する請願」が、全会派一致で採択されました。

2020 年に江東区でも開催されるパラリンピックを契機に、“障害の有無および軽重にかかわらず、生活に 必要不可欠な余暇を享受する権利を保障する”ことを行政課題とし、区は具体的な施策を検討すべきである と私たちは考えています。

つきましては、ご多忙のところたいへん恐縮ですが、裏面にご回答いただき、4 月 10 日までにファックス にてご返信いただければ幸いです。何とぞよろしくお願いいたします。

<質問> 1「障害のある青年成人の余暇活動」について、区はどのような施策を検討すべきだとお考えですか。 2「障害のある青年成人の余暇活動」を自主的に行なっている団体が利用できるような補助制度について、

どのようにお考えですか。 3特に、重度の知的障害や身体障害のある青年成人が、集団で余暇を楽しむ活動に関して、何かお考えがありましたらお聞かせください。

ご回答

▼江東区議会自由民主党様

①軽度の知的障害がある方を対象とした余暇活動については、「エンジョイ・クラブ」がありますが、重度の障害がある方についての対応についても、本人やご家族のニーズや意見を十分踏まえて、区は検討すべきと考えます。

②本人やご家族のニーズや意見を踏まえた上で、多くの障害者の余暇活動に資する効果的な制度が必要と考えます。

③江東区の障害者数は増加傾向にあり、また障害の重度化、障害者の高齢化などを受けて、障害者への取り組みは多様化・複雑化しています。しかしながら、今後も障害者一人ひとりが望む活動ができるよう、 きめ細かい支援が必要であると考えます。

▼江東区議会民政クラブ 幹事長 徳永 雅博様

①現在江東区では、軽度の知的障害がある方を対象とした余暇活動については、「エンジョイクラブ」において対応していますが、その他の青年・成人期の余暇活動支援については不十分な状況にあると認識 しています。したがって早期に他自治体の実施状況を参考にしつつ、新たな施策に取り組みたいと考え ています。

②できるだけ、本人やご家族などサービスを必要とする方に、サービスが広く公平に提供される仕組みづ くりが必要と考えます。

③江東区の障害者数は年々増加傾向にあり、また障害の重度化、障害者の高齢化などの課題に直面してい ます。そこで障害者への取り組みが多様化・複雑化する中で、障害者のひとり一人が何を望んでいるか、 個々人のニーズに合った活動ができるような支援を検討すべきと考えています。

▼日本共産党江東区議団様

①障害者権利条約では余暇活動の保障が定められており、抜本的拡充が必要と考えます。区の障害者計画での余暇活動に対する位置づけは低く、具体的な支援策や予算が講じられていません。区で行なってい るエンジョイクラブの活動は不十分です。障害者計画の中で、「障害者の余暇活動」を積極的に位置づ け、予算を付けるなど具体的な支援が求められます。また、その策定に当たっては、区と障害者、家族、 障害者支援に関わる団体なども協働して計画を作り上げることを求めます。

②余暇活動には多様な受け皿支援が必要であり、現状行われている活動への補助・支援はただちに行われ るべきと考えます。また、作業所などで行う旅行などへの支援や、文化、スポーツに参加できるよう、 障害者スポーツの指導員や施設のバリアフリー化の推進、施設・駐車場の利用料負担の軽減、ヘルパー 人材の育成や確保に補助制度を創設すべきと考えます。 日本共産党江東区議団が毎年江東区に提出している要望書では以下の内容を求めています。 ○障害者通所施設等に対する家賃補助を継続して行うこと。 ○障害者とその家族の地域生活を支えるためにレスパイト事業を拡大・充実すること。 ○視覚障害者のガイドヘルパーを養成すること。 ○障害者スポーツ振興のために、区スポーツ施設のバリアフリー化を進めること。また、指導員の育成と確保を図ること。 ○障害者がプールを利用する際の指導員の講師料を補助すること。

③障害者の余暇活動を含め、地域の中で生活し活動をするための支援の多くは依然として、家族や関係者 の献身的な取り組みで支えられている現状と受け止めています。障害を持つ皆さんがより生き生きと毎日 を過ごせる社会となるように、私たち区議団もこれまで築き上げられてきた皆さんの活動に学び、行政が 必要な支援を行うことを求めていきます。

▼江東区議会市民の声・江東 事務局長 中村 まさ子様

①障害の有無にかかわらず地域で当たり前に暮らしていくためには、就労移行支援事業や就労継続支援事業・生活介護等だけでなく、交流活動や文化芸術活動等の日中活動の支援が必要です。江東区は「障害のある青年成人の余暇活動」事業を障害者福祉計画に位置づけ、予算化することが必要と思います。

②他自治体では障害者の余暇活動に対する補助金制度を持っているところがあります。近くは墨田区な ど。江東区は長年「今後の検討課題」としていますが、早急に重度障害者を含めた余暇活動への助成制 度を創設すべきと考えます。

③日本は障害者権利条約を批准していますが、区にでも自治体でもまだ実際の政策に反映していないようです。これは子どもの権利条約、国際人権規約、女性差別撤廃条約なども同様です。2020 オリンピッ ク・パラリンピックの開催に向けて、江東区は様々な施策に税金を投じていますが、足元で差別のない 社会を作るために もっと税金を使うべきです。障害のある青年成人の余暇活動に対する支援もその一つです。

▼江東・生活者ネットワーク 本宮 優子様

①本人が希望する余暇活動に参加できるよう(声を上げることができる環境作り等)支援することが重要

②当事者や自主的に活動する団体等の声を聴き取り、何が求められているのか、課題は何か等を把握し、 対応すること。そのためには、補助金制度を設けることも考えられる。

③「集団」とひとくくりにせず、例えば医療的ケア等でランク分けすることで選択肢を拡げる、さらに保 護者に対してはどういう集まりの場があるかを周知する。

<その他> 生活者ネットワークは、障害のある人もない人もともに支えあう社会を「地域共生社会」の実現を目指 し行政に政策提案をしています。

▼江東区議会・無所属 見山 しんじ様

①軽度の知的障害がある方を対象とした余暇活動については、「エンジョイ・クラブ」がありますが、重度の障害がある方についての対応についても、本人やご家族のニーズや意見を十分踏まえて、区は検討すべきと考えます。

②本人やご家族のニーズや意見を踏まえた上で、多くの障害者の余暇活動に資する効果的な制度が必要と考えます。

③本区の障害者数は増加傾向にあり、また障害の重度化、障害者の高齢化などを受けて、障害者への取り組みは多様化・複雑化しています。しかしながら、今後も障害者一人一人が望む活動ができるよう、きめ細かい支援が必要であると考えます。

▼江東区議会 公明党様

①現在江東区では、エンジョイクラブとして軽度の知的障害の方を対象に取り組んでおります。また、重度の知的障害のある方への対応は、移動支援を行っています。人員・安全面などの確保など、課題は多 いようです。ですので、課題を乗り越え具体的な取り組みは時間もかかります。まずは、取り組んで頂 いている団体への補助制度の創設を検討すべきと考えています。 また、他区で取り組まれているレクリエーション事業なども参考にして行くことを考えています。

②他区で取り組まれている余暇活動支援事業補助金などを参考として、本区でも取り組んでいくべきと考 えています。区では公平性など課題を考えていますが、広くサービスが提供されるようになれば、実現 の可能性はあると考えています。

③本区では、臨海地域での保育園や学校開設等、様々な対応に追われております。放課後等デイサービス 事業なども障害者利用への陳情が出され、本区として対応を迫られ、人口急増へ努力を費やしておりま す。ですが、今後は障害者の方は増加傾向であることから、学校のみではなく、卒業してからの社会参 画での対応に関しても必要と考えております。 様々な障害者の会の方たちと連携を取りながら、障害をお持ちの方が望む活動ができるよう家族への支 援も含め、江東区と一緒になって取り組んでいきたいと思います。

ご回答くださいました会派の方々におかれましては、ご多忙の所、たいへんありがとうございました